焼入性/磁気特性/ミルエッジ/カットエッジ/標準調質/硬質
”材質及びその他の品質”に分類されている用語のうち、『焼入性』、『磁気特性』、『ミルエッジ』、『カットエッジ』、『標準調質』、『硬質』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の用途別製品及び品質に関する主な用語として、鉄鋼用語(製品及び品質)(JIS G 0203)において、”材質及びその他の品質”に分類されている用語には、以下の、『焼入性』、『磁気特性』、『ミルエッジ』、『カットエッジ』、『標準調質』、『硬質』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(製品及び品質)
⇒【材質及びその他の品質】
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5290
用語: 焼入性
定義:
鉄鋼を焼入硬化させた場合の焼きの入りやすさ、すなわち焼きの入る深さと硬さの分布を支配する性能。
焼入性は通常、焼きの入る深さの大小で比較するが、それには焼入性試験方法(一端焼入方法)を用いるのが便利である。
(JIS G 0561 参照)ほかにもシェファードP-F試験、SAC焼入性試験などがある。
対応英語(参考):
hardenability
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5300
用語: 磁気特性
定義:
磁性材料が磁化された場合にその材料が示す磁気的な諸特性。
一般的には鉄損、磁束密度、保磁力、残留磁束密度などがあげられる。(※1)
対応英語(参考):
magnetic properties
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5321
用語: ミルエッジ
定義:
鋼板、鋼帯のエッジの一種で、圧延によって自然にできたエッジそのままで切断されていないもの。
対応英語(参考):
mill edge
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5322
用語: カットエッジ
定義:
鋼板、鋼帯のエッジの一種で、最終工程でエッジを切断したもの。
切断の方法によって、トリムドエッジ、スリットエッジ、シャードエッジなどと区分していうことがある。
対応英語(参考):
cut edge
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5331
用語: 標準調質
定義:
冷間圧延鋼板及び鋼帯の調質区分の一つで焼なまし後、形状、表面仕上げ、機械的性質及び加工性を用途に応じて適切なものとするため軽度の冷間圧延を行って得られるもの。
対応英語(参考):
−
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5332
用語: 硬質
定義:
冷間圧延鋼板及び鋼帯の調質区分で、焼なまし後、絞り性以外の加工性を目的として、硬さ調整を行うため冷間圧延を行って得られるもの。
硬さ、引張強さなどの区分によって、1/8硬質、1/4硬質(quarter hard)、1/2硬質(half hard)、硬質(full hard)がある。
対応英語(参考):
full hard
(※1)
磁気特性の一般的な諸特性である鉄損、磁束密度、保磁力、残留磁束密度のそれぞれの意味・定義は以下です。
【鉄損】
試料を交流磁化力によって磁化したとき試料中に消費される電力。
通常、1kg当たりで表す。
単位はワット毎キログラム(W/kg)を用いる。
【磁束密度】
一様に磁化された試料の単位面積当たりの磁束。
単位はステラ(T)を用いる。
【保磁力】
ヒステリシス曲線において磁束密度が零に相当する磁化力Hc。
【残留磁束密度】
ヒステリシス曲線において磁化力が零に相当する磁束密度Br。
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