非時効性/引抜加工性/被削性/生引性(伸縮性)
”材質及びその他の品質”に分類されている用語のうち、『非時効性』、『引抜加工性』、『被削性』、『生引性(伸縮性)』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の用途別製品及び品質に関する主な用語として、鉄鋼用語(製品及び品質)(JIS G 0203)において、”材質及びその他の品質”に分類されている用語には、以下の、『非時効性』、『引抜加工性』、『被削性』、『生引性(伸縮性)』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(製品及び品質)
⇒【材質及びその他の品質】
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5246
用語: 非時効性
定義:
機械的性質及び加工性が実用上支障をきたすような経時変化をしない性質。
一般に深絞り用冷間圧延鋼板(※1)について要求される性質で、通常、加工の際にストレッチャストレーンを生じない性質をいう。
対応英語(参考):
non-ageing properties
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5247
用語: 引抜加工性
定義:
線、棒及び管を、ダイス穴を通して引抜加工するときの加工されやすさ。
一般に、所定の断面形状に引抜加工するときに表面割れ、内部割れを発生することなく、また、表面の潤滑が良好で表面にダイスきずなどを生じない場合に引抜加工性がよいという。
対応英語(参考):
drawability
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5248
用語: 被削性
定義:
切削加工するときの削られやすさ。
切削抵抗、使用工具の寿命、切削仕上面の程度、切削くずの形状と処理の難易さなどの特性で表される。
対応英語(参考):
machinability
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 材質及びその他の品質
番号: 5249
用語: 生引性(なまびきせい)(伸縮性)
定義:
あらかじめ熱処理を施すことなく、圧延のままの線材を引抜加工するときの引抜加工性又は伸線性。
一般に、((原板面積−伸線後の断面積)/原板面積)×100 の大小などで表される。
伸線するときの伸線されやすさ、線の引抜加工性を伸線性という。
対応英語(参考):
drawability of as rolled wire rods
(※1)
深絞り用冷間圧延鋼板については、以下のJIS規格において規定されています。
JIS G 3141
冷間圧延鋼板及び鋼帯
この規格では、みがき帯鋼(幅500mm未満で冷間圧延する鋼帯)及びみがき帯鋼からせん断した鋼板を含む冷間圧延鋼板及び鋼帯について規定されています。
鋼板及び鋼帯の種類には、以下の5種類が規定されています。
・SPCC(一般用)
・SPCD(絞り用)
・SPCE(深絞り用)
・SPCF(非時効性深絞り用)
・SPCG(非時効性超深絞り用)
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