キルド鋼
”鋼の種類、粗鋼、鋼片”に分類されている用語のうち、『キルド鋼』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の用途別製品及び品質に関する主な用語として、鉄鋼用語(製品及び品質)(JIS G 0203)において、”鋼の種類、粗鋼、鋼片”に分類されている用語には、以下の、『キルド鋼』の用語が定義されています。
鉄鋼用語(製品及び品質)
⇒【鋼の種類、粗鋼、鋼片】
分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 鋼の種類、粗鋼、鋼片
番号: 1124
用語: キルド鋼
定義:
フェロシリコンやアルミニウムなどで十分に脱酸(※1)を行った鋼。
鋳型内での凝固進行中に一酸化炭素を発生せずに静かに凝固し、比較的均質で偏析(※2)が少なく気泡もないが、上部中心に収縮孔ができ歩留りはよくない。
キルド鋼は更に結晶粒度(※3)又は脱酸剤によって次のように分類される。
a) 結晶粒度による分類
粗粒キルド鋼:オーステナイト結晶粒度で粒度番号5未満のキルド鋼をいう。
細粒キルド鋼:オーステナイト結晶粒度で粒度番号5以上のキルド鋼をいう。
b) 脱酸剤による分類
シリコンキルド鋼
アルミ(ニウム)キルド鋼
シリコンアルミ(ニウム)キルド鋼
対応英語(参考):
killed steel
(※1)
脱酸とは、けい素、マンガン、アルミニウムなどの元素を添加して溶鋼中に含まれている酸素を除去すること、鋼は脱酸の程度によって、キルド鋼、セミキルド鋼、キャップド鋼、リムド鋼に分類されます。
(※2)
偏析とは、合金元素や不純物が不均一に偏在している現象又はその状態のことです。
(※3)
結晶粒度とは、顕微鏡観察断面に現出された結晶粒の大きさのことで、 一般にはこれを比較法又は切断法によって求めた粒度番号で表されます。
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