鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

キャップド鋼/セミキルド鋼



”鋼の種類、粗鋼、鋼片”に分類されている用語のうち、『キャップド鋼』、『セミキルド鋼』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の用途別製品及び品質に関する主な用語として、鉄鋼用語(製品及び品質)(JIS G 0203)において、”鋼の種類、粗鋼、鋼片”に分類されている用語には、以下の、『キャップド鋼』、『セミキルド鋼』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(製品及び品質)
⇒【鋼の種類、粗鋼、鋼片】


分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 鋼の種類、粗鋼、鋼片

番号: 1122

用語: キャップド鋼

定義:
未脱酸の溶鋼を鋳型に注入後間もなく脱酸剤を加えるか、又は鋳型にふたをし、リミングアクションを早めに強制的に終了させ内部を静かに凝固させた鋼。
前者をケミカルキャップド鋼、後者をメカニカルキャップド鋼という。
キャップド鋼は表層部をリムド鋼のような清浄なものとするとともに内部をセミキルド鋼のような偏析の少ない状態とし、かつ気泡によって収縮孔を相殺しようとしたものである。

対応英語(参考):
capped steel


分類: 鉄鋼用語(製品及び品質) > 鋼の種類、粗鋼、鋼片

番号: 1123

用語: セミキルド鋼

定義:
脱酸剤としてフェロマンガン、フェロシリコン、アルミニウムなどの適量を添加して、リムド鋼
(※1)とキルド鋼(※2)の中間程度の脱酸を行った鋼。
凝固進行に伴って若干の気泡を発生させ、凝固による収縮孔を少なくしたものである。

対応英語(参考):
semi-killed steel


(※1)
リムド鋼とは、鋳型内で溶鋼中の酸素と炭素が作用して一酸化炭素を発生し、溶鋼が特有の沸騰かくはん(攪拌)運動(リミングアクションという。)をしながら凝固した鋼のことです。

(※2)
キルド鋼とは、フェロシリコンやアルミニウムなどで十分に脱酸を行った鋼のことです。
粗粒キルド鋼、細粒キルド鋼、シリコンキルド鋼、アルミ(ニウム)キルド鋼、シリコンアルミ(ニウム)キルド鋼に分類されます。