鋼の浸炭硬化層深さ測定試験/浸炭硬化層深さ/全硬化層深さ
”鋼質試験”の中の、”硬化層及び脱炭層深さ試験”に分類されている用語のうち、『鋼の浸炭硬化層深さ測定試験』、『浸炭硬化層深さ,有効硬化層深さ』、『全硬化層深さ』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”鋼質試験”のうちの”硬化層及び脱炭層深さ試験”に分類されている用語には、以下の、『鋼の浸炭硬化層深さ測定試験』、『浸炭硬化層深さ,有効硬化層深さ』、『全硬化層深さ』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【鋼質試験 > 硬化層及び脱炭層深さ試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 硬化層及び脱炭層深さ試験
番号: 3201
用語: 鋼の浸炭硬化層深さ測定試験(※1)
定義:
鋼の浸炭焼入れによる硬化層深さを測定する試験。
硬化層深さは、有効硬化層深さ又は全硬化層深さで規定する。
この測定には、通常、硬さ試験方法が用いられ、簡便法としてマクロ組織試験方法(※2)が用いられる。
対応英語(参考):
determination of case depth hardened by carburizing treatment for steel
分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 硬化層及び脱炭層深さ試験
番号: 3202
用語: 浸炭硬化層深さ,有効硬化層深さ
定義:
浸炭焼入れによる焼入れのまま又は200℃を超えない温度で焼戻しした硬化層の表面からビッカース硬さ(※3)550の点までの距離。
対応英語(参考):
effective case depth hardened by carburizing treatment
分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 硬化層及び脱炭層深さ試験
番号: 3203
用語: 全硬化層深さ
定義:
硬化層の表面から、硬化層と生地の物理的又は化学的性質の差異がもはや区別できない点に至るまでの距離。
ここでいう物理的性質は硬さで、化学的性質はマクロ組織で判定する。
対応英語(参考):
total case depth (hardened by carburizing treatment)
(※1)
鋼の浸炭硬化層深さ測定試験については、以下のJIS規格に詳細があります。
JIS G 0557
鋼の浸炭硬化層深さ測定方法
このJIS規格では、鋼の浸炭焼入れ又は浸炭浸窒焼入れによる硬化層深さを測定する方法について規定されています。
(※2)
マクロ組織試験とは、鋼の断面又は表面の欠陥や性状及び組織を検査する目的で、鋼の研磨された断面又は表面を塩酸、塩化銅アンモニウム、王水などを用いて腐食し、肉眼で判定する試験のことです。
(※3)
ビッカース硬さとは、ビッカース硬さ試験において、用いた試験荷重(N){kgf}を永久くぼみの表面積(mm2)で除した値のことです。