鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

フェライト結晶粒度/フェライト結晶粒度番号/展伸度



”鋼質試験”の中の、”組織試験”に分類されている用語のうち、『フェライト結晶粒度』、『フェライト結晶粒度番号』、『展伸度』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”鋼質試験”のうちの”組織試験”に分類されている用語には、以下の、『フェライト結晶粒度』、『フェライト結晶粒度番号』、『展伸度』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【鋼質試験 > 組織試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3119

用語: フェライト結晶粒度

定義:
フェライト結晶粒の大きさ。
粒度番号で表す。

対応英語(参考):
ferritic grain size


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3120

用語: フェライト結晶粒度番号

定義:
フェライト
(※1)結晶粒の大きさを表す番号。
比較法によって測定する場合は、標準図と比較して求め、切断法によって測定する場合は、次式によって算出される番号Nで表す。
n=(M/100)2×{(l1×l2)/(L1×L2)}
N={log(n)/0.301}+1
ここに、
N:粒度番号
n:顕微鏡の倍率100倍における25mm平方中の結晶粒の数
M:顕微鏡の倍率
L1(又はL2):互いに直交する線分のうち、1方向の線分の長さの総和(単位mm)
l1(又はl2):L1(又はL2)によって切断された結晶粒数の総和

対応英語(参考):
ferritic grain size number


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3121

用語: 展伸度

定義:
鋼の加工によって、フェライト結晶粒が展伸された度合。
次式によって計算する。
e=n1/n2
ここに、
e:展伸度
n1:結晶粒の展伸された方向に直角な一定長さの線分によって切断された結晶粒の数。
n2:結晶粒の展伸された方向に平行なn1を求めた線分と同一長さの線分によって切断された結晶粒の数。

対応英語(参考):
elongation rate


(※1)
フェライトとは、1種以上の元素を含むα鉄又はδ鉄固溶体のことで、δ鉄の固溶体をδフェライトともいいます。