鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

非金属介在物/A系介在物/B系介在物/C系介在物/清浄度



”鋼質試験”の中の、”組織試験”に分類されている用語のうち、『非金属介在物』、『A系介在物』、『B系介在物』、『C系介在物』、『清浄度』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”鋼質試験”のうちの”組織試験”に分類されている用語には、以下の、『非金属介在物』、『A系介在物』、『B系介在物』、『C系介在物』、『清浄度』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【鋼質試験 > 組織試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3131

用語: 非金属介在物

定義:
鋼の凝固過程において、鋼中に析出
(※1)又は巻き込まれる非金属性の介在物。
マクロ組織試験とミクロ組織試験で調べるが、前者でいう介在物とは、肉眼で認められる非金属介在物をいう。

対応英語(参考):
non-metallic inclusion


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3132

用語: A系介在物

定義:
鋼中の非金属介在物のうち、加工によって粘性変形したもの(硫化物、けい酸塩など)。
必要な場合には、更に硫化物とけい酸塩とに分け、前者をA1系介在物、後者をA2系介在物という。

対応英語(参考):
A type inclusion


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3133

用語: B系介在物

定義:
鋼中の非金属介在物のうち、加工方向に集団をなして不連続的に粒状に並んだもの(アルミナなど)。
Nb、Ti、Zr(単独又は2種以上)を含む鋼において、必要な場合には、更にアルミナなどの酸化物系と Nb、Ti、Zr の炭窒化物系とに分け、前者をB1系介在物、後者をB2系介在物という。

対応英語(参考):
B type inclusion


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3134

用語: C系介在物

定義:
鋼中の非金属介在物のうち、粘性変形をしないで不規則に分散するもの(粒状酸化物など)。
Nb、Ti、Zr(単独又は2種以上)を含む鋼において、必要な場合には、更に酸化物系と Nb、Ti、Zr の炭窒化物系とに分け、前者をC1系介在物、後者をC2系介在物という。

対応英語(参考):
C type inclusion


分類: 鉄鋼用語(試験) > 鋼質試験 > 組織試験

番号: 3135

用語: 清浄度

定義:
鋼中において、非金属介在物が含まれる割合。
顕微鏡視野内で、非金属介在物が占める面積百分率で表し、次の式で計算する。
d={n/(p×f)}×100
ここに、
d:清浄度(%)
n:f個の視野における全介在物によって占められた格子点中心の数。
p:視野内のガラス板上の総格子点数。
f:視野数。

対応英語(参考):
index of cleanliness of steel


(※1)
析出とは、固溶体(2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相)から異相の結晶が分離成長する現象のことです。