鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

鋼線のキンク試験/鋼線の疲れ試験/ワール[Wahl]の修正係数



”機械試験”の中の、”その他の試験”に分類されている用語のうち、『鋼線のキンク試験』、『鋼線の疲れ試験(鋼線の疲労試験)』、『ワール[Wahl]の修正係数』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”その他の試験”に分類されている用語には、以下の、『鋼線のキンク試験』、『鋼線の疲れ試験(鋼線の疲労試験)』、『ワール[Wahl]の修正係数』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > その他の試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > その他の試験

番号: 2351

用語: 鋼線のキンク試験

定義:
鋼線を手で曲げて図のような形状にした後、矢印の方向に手で引っ張り、破断の有無、破面状況、所要の力の大小などを調べる試験。
これによって、鋼線の機械的性質、特に靱性を評価する試験。
図32 鋼線のキンク試験
図32 鋼線のキンク試験

対応英語(参考):
kink test of steel wire,
looping test of steel wire


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > その他の試験

番号: 2352

用語: 鋼線の疲れ試験(鋼線の疲労試験)

定義:
試験片に繰返し応力
(※1)又は変動応力(※2)を加えて、疲れ破断特性を調べる試験。
線のまま行う回転曲げ疲れ試験、繰返しねじり疲れ試験及び繰返し曲げ疲れ試験がある。
また、ばね用鋼線の場合は、コイルばねに冷間加工を施し、所定の調質を行った後、繰り返し圧縮を行う疲れ試験も用いられ、一般にばね疲れ試験と呼んでいる。

対応英語(参考):
fatigue test of steel wire


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > その他の試験

番号: 2353

用語: ワール[Wahl]の修正係数

定義:
鋼線の疲れ試験において、コイルばねの線のわん曲や直線せん断力による誤差を修正する係数。
JISでは、圧縮引張コイルばねにワール(Wahl)の応力修正係数を採用している。
k=(4c-1)/(4c-4)+0.615/c
c=(コイル平均径)/線径

対応英語(参考):
stress correction factor


(※1)
繰返し応力とは、ある一定の極大値と極小値との間を単純に、かつ周期的に変動する応力のことです。

(※2)
変動応力とは、振幅が時間的に変化する応力のことです。