遷移温度/遷移曲線/エネルギー遷移温度/破面遷移温度
”機械試験”の中の、”衝撃試験”に分類されている用語のうち、『遷移温度』、『遷移曲線』、『エネルギー遷移温度』、『破面遷移温度』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”衝撃試験”に分類されている用語には、以下の、『遷移温度』、『遷移曲線』、『エネルギー遷移温度』、『破面遷移温度』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 衝撃試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 衝撃試験
番号: 1361
用語: 遷移温度
定義:
ある材料について、いろいろな温度で衝撃試験をしたとき、吸収エネルギーが急激に低下(又は上昇)したり、破面の外観が延性から脆性(又は脆性から延性)に変化するなどの現象に対応する温度。
対応英語(参考):
transition temperature
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 衝撃試験
番号: 1362
用語: 遷移曲線
定義:
遷移温度付近の試験温度と吸収エネルギーや破面率などとの関係を表す曲線。
図12 破面遷移温度及びエネルギー遷移温度
対応英語(参考):
transition curve
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 衝撃試験
番号: 1363
用語: エネルギー遷移温度
定義:
延性破面率(※1)100%となる最低温度に対応する吸収エネルギーと、脆性破面率(※2)100%となる最高温度に対応する吸収エネルギーとの、平均吸収エネルギーに相当する温度T(図12 参照)。
簡便な方法として、延性破面率100%となる最低温度における吸収エネルギーの1/2の値に相当する温度として求めることが多い。
対応英語(参考):
energy transition temperature
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 衝撃試験
番号: 1364
用語: 破面遷移温度
定義:
試験片の破面の外観の変化に対応する遷移温度で、特定の延性破面率となる温度又は脆性破面率となる温度T。
通常、2mmV切欠き試験片を用いたシャルピー衝撃試験で、延性破面率50%となる温度Tを求める(図12 参照)。
対応英語(参考):
(※1)
延性破面率とは、試験片の破面の全面積に対する延性破面の面積の百分率のことです。
(※2)
脆性破面率とは、試験片の破面の全面積に対する脆性破面の面積の百分率のことです。