鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

耐力/最大引張荷重/引張強さ,引張強度



”機械試験”の中の、”引張試験”に分類されている用語のうち、『耐力』、『最大引張荷重』、『引張強さ,引張強度』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”引張試験”に分類されている用語には、以下の、『耐力』、『最大引張荷重』、『引張強さ,引張強度』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 引張試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験

番号: 1164

用語: 耐力

定義:
引張試験において、規定された永久伸びを生じるときの荷重を平行部の原断面積で除した値。
降伏点が明りょうでない材料は、その代わりに耐力が用いられる。
JISでは、特に規定のない場合には、永久伸びの値を0.2%とする。
耐力の測定は、JISでは、次のいずれかの方法による。
(1)オフセット法による耐力:
伸び計を用いて荷重-伸び線図を求め、規定の永久伸びε%に相当する伸び軸上の点から、試験初期の直線部分(弾性変形部分)に平行線を引き、これが線図と交わる点の示す荷重を平行部の原断面積で除して求める(図3 参照)。
この方法による耐力には、σ0.2 のように、規定の永久伸びの値を付記して示す。
図3 耐力(a.オフセット法)
図3 耐力(a.オフセット法)
(2)永久伸び法:
耐力が規格に合格するかどうかを決めるだけでよい場合には、規定の耐力に相当する荷重を試験片に15秒間加え、これを除いてから測定した評点間の永久伸びが規定の値以下であれば、合格とする(図3 参照)。
図3 耐力(b.永久伸び法)
図3 耐力(b.永久伸び法)
(3)全伸び法による耐力:
伸び計を用いて、試験片に荷重が加わった状態での全伸びを測定し、規定の全伸びの値λ%になったときの荷重を平行部の原断面積で除して求める(図3 参照)。
この方法による耐力には、σ0.5のように規定の全伸びの値を付記して示す。
JISでは、全伸びλ%は、規定の永久伸びε%が得られるときの荷重下の全伸びの値とされている。
λ=0.5%とすることが多いが、λ=0.6%、0.7%などの値が用いられることもある。
図3 耐力(c.全伸び法)
図3 耐力(c.全伸び法)

対応英語(参考):
yield strength,
proof stress,
proof stress (non-proportional elongation),
yield strength by ofset method,
proving test for permanent set stress,
proof stress (total elongation),
yield strength by extension under load method


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験

番号: 1165

用語: 最大引張荷重

定義:
引張試験の経過中、試験片の耐えた最大荷重。

対応英語(参考):
maximum load


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験

番号: 1166

用語: 引張強さ,引張強度

定義:
最大引張荷重を平行部の原断面積で除した値。
降伏後に試験片が耐えた最大の荷重が上降伏点より低い材料については、降伏後の最大荷重を平行部の原断面積で除した値とする。

対応英語(参考):
tensile strength