肩部の半径/つかみ分の間隔/公称応力/真応力
”機械試験”の中の、”引張試験”に分類されている用語のうち、『肩部の半径(試験片の)』、『つかみ分の間隔』、『公称応力』、『真応力』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”引張試験”に分類されている用語には、以下の、『肩部の半径(試験片の)』、『つかみ分の間隔』、『公称応力』、『真応力』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 引張試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1118
用語: 肩部の半径(試験片の)
定義:
平行部より大きな断面積のつかみ部をもつ引張試験片において、平行部に応力を均一に分散させるため、平行部とつかみ部との間に設ける円弧部分(肩部)の半径(図1 参照)。
対応英語(参考):
radius of fillet,
radius of transition curve between grip and parallel portion
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1119
用語: つかみ分の間隔
定義:
引張試験片を試験機に取り付けたときの試験機のつかみ装置間の試験片の長さ。
試験片の平行部とつかみ部との断面が同じ試験片では、平行部長さの代わりに、つかみ部の間隔が規定される。
対応英語(参考):
free length of test piece between grips
L0:標点距離
P:平行部の長さ
R:肩部の半径
図1 引張試験片の各部の名称
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1131
用語: 公称応力
定義:
試験片に加わる引張荷重を試験片平行部の原断面積で除した値。
紛らわしくないときには、単に応力ともいう。
対応英語(参考):
nominal stress
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1132
用語: 真応力
定義:
試験片にある引張荷重を加えたとき、その荷重をそのときの試験片平行部の断面積で除した値。
試験片平行部の体積が一定の条件の下では、真応力σAと公称応力σとの関係は、そのときの伸び(※1)をε%とすると、σA=σ[1+ε/100]。
対応英語(参考):
true stress
(※1)
伸びとは、試験片の標点間の長さと、元の標点距離との差のことで、標点距離に対する比(ひずみ)又は百分率で表すのが一般的です。