鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

落重試験/落重引裂試験/動的引裂試験



”機械試験”の中の、”脆性破壊試験”に分類されている用語のうち、『落重試験』、『落重引裂試験』、『動的引裂試験』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”脆性破壊試験”に分類されている用語には、以下の、『落重試験』、『落重引裂試験』、『動的引裂試験』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 脆性破壊試験】


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験

番号: 1622

用語: 落重試験

定義:
落重試験用溶接棒で試験片にもろいビード
(※1)を置き、そのビードに直角方向の切欠きを付け、ビードを下側にして支え落重による衝撃曲げ荷重を加えて、ビードから発生した脆性き裂が試験片に伝ぱ(播)する状態を調べ NDT(nil-ductility transition)(無延性遷移)温度を求める試験。
NRL(Naval Research Laboratory)落重試験とも呼ばれる。
図19 落重試験
図19 落重試験

対応英語(参考):
drop weight test


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験

番号: 1623

用語: 落重引裂試験

定義:
側面にプレスノッチを加工した試験片を、切欠き側で支えて、落重による衝撃曲げ荷重を加え、破断した破面のせん断破面率を求める試験。
落重の代わりに切欠きを横に向けて振子による荷重を加えてもよい。
図20 落重引裂試験
図20 落重引裂試験

対応英語(参考):
drop weight tear test (DWTT)


分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験

番号: 1624

用語: 動的引裂試験

定義:
側面に機械加工とプレスノッチを併せた切欠きを付けた試験片を、切欠き側で支えて、その反対側から落重又は振子による衝撃曲げ荷重によって破断し、吸収エネルギー
(※2)を求める試験。
せん断破面率を調べることもある。
図21 動的引裂試験
図21 動的引裂試験

対応英語(参考):
dynamic tear (DT) test


(※1)
ビードとは、1回のパスによって作られた溶接金属(溶接部の一部で、溶接中に溶融凝固した金属)のことです。
(※2)
吸収エネルギーとは、衝撃試験において、試験片を破断するのに要するエネルギーのことです。