溶接縦継手切欠き引張試験/二重引張試験/小形脆性破壊試験,小形試験
”機械試験”の中の、”脆性破壊試験”に分類されている用語のうち、『溶接縦継手切欠き引張試験』、『二重引張試験』、『小形脆性破壊試験,小形試験』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”脆性破壊試験”に分類されている用語には、以下の、『溶接縦継手切欠き引張試験』、『二重引張試験』、『小形脆性破壊試験,小形試験』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 脆性破壊試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験
番号: 1613
用語: 溶接縦継手切欠き引張試験
定義:
溶接残留応力を有する試験体に適用される大形試験の一種。
突合せ溶接され、溶接直角方向に切欠きをもつ試験板を溶接継手方向に引張荷重を加えて破壊させる試験。
図17 溶接継手切欠き引張試験
対応英語(参考):
(longitudinally) welded wide plate test
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験
番号: 1614
用語: 二重引張試験
定義:
温度こう(勾)配をもつ試験板の低温側に破壊発生部を設け、試験板全体に所定の引張荷重を負荷し、温度こう配が安定した状態で破壊発生部に別の静的引張荷重を加えて脆性き裂を発生させ、試験板のき裂停止温度を求める試験。
ロバートソン試験及びエッソ試験を改良した試験方法である。
図18 二重引張試験
対応英語(参考):
double tension test
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 脆性破壊試験
番号: 1621
用語: 小形脆性破壊試験,小形試験
定義:
比較的小形の試験片を用いて行う脆性破壊試験。
破壊靱性試験(1602参照)がこれに含まれる。
また、脆性破壊に関して、経験や大形試験(※1)との相関に基づいて評価に用いられた小形試験には、例えば次のようなものがある。
シャルピー衝撃試験(1301参照)。
落重試験(drop weight test)(1622参照)。
落重引裂試験(drop weight tear test, DWTT)(1623参照)。
動的引裂試験[dynamic tear (DT) test](1624参照)。
その他、シュナット試験、ティッパ試験、ファンデアビーン試験、カーン引裂試験なども用いられたことがある。
対応英語(参考):
small scale brittle fracture test,
small scale test
(※1)
大形試験とは、大形脆性破壊試験ともいわれ、ディープノッチ試験、溶接縦継手切欠き引張試験、二重引張試験、ロバートソン試験、エッソ試験、内圧破壊試験など、大形の試験片又は試験体を用いて行う脆性破壊試験のことです。