張出し試験/張出し性/エリクセン試験
”機械試験”の中の、”成形性試験”に分類されている用語のうち、『張出し試験』、『張出し性』、『エリクセン試験』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”成形性試験”に分類されている用語には、以下の、『張出し試験』、『張出し性』、『エリクセン試験』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 成形性試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1521
用語: 張出し試験
定義:
ダイス穴内に位置する試験片の部分をポンチの押込みによって2軸引張り変形を主体とする張出しを与え、その限界を求める試験。
エリクセン試験、オルゼンカップ試験、純粋張出し試験などがある。
なお、剛体ポンチの代わりに液圧を用いて、試験片に張出変形を与える液圧バルジ試験(hydraulic bulge test)もある。
張出し限界(バルジ限界){punch stretch forming limit (bulging limit)}は、割れを生じずに張出し得る限界をいい、通常、成形深さで表す。
対応英語(参考):
punch stretch forming test
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1522
用語: 張出し性
定義:
平板又は既に成形された製品の一部を膨らまし、突き出して所定の形状寸法に成形し得る程度。
なお、張出し性は、材料の加工硬化能に依存するところから、引張試験でもとめた n値(※1) も張出し性の指標に使われる(1181参照)。
対応英語(参考):
(punch) stretch formability,
punch stretchability
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1531
用語: エリクセン試験
定義:
試験片をダイスとしわ押さえで拘束し、穴径27mmのダイス穴内に球径20mmのポンチで張出す試験。
JIS Z 2247(エリクセン試験方法)では、試験片の拘束の仕方によってA法とB法に分けられる。
エリクセン値(Erichsen value)は、張出し部の少なくとも1か所に裏面に達する割れができたときまでに、ポンチの先端がしわ押さえ面から移動した距離(mm)を表す数をいう。
対応英語(参考):
Erichsen test
(※1)
n値とは、真応力σAと対数伸びe との関係を
σA=Cen
で近似させたときのnの値のことで、薄鋼板では、通常、ε=5〜15%、ε=10〜20% などの全伸びの範囲について近似したときのnの値を、プレス成形性に関連する特性値として用いられます。