成形性試験/成形性/深絞り試験/深絞り性
”機械試験”の中の、”成形性試験”に分類されている用語のうち、『成形性試験』、『成形性』、『深絞り試験』、『深絞り性』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”成形性試験”に分類されている用語には、以下の、『成形性試験』、『成形性』、『深絞り試験』、『深絞り性』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 成形性試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1500
用語: 成形性試験
定義:
形状や寸法が類型化された試験工具で、試験片に実際の成形におけるのと類似の変形加工を割れが生じるまで行って成形限界を求め、それによって材料の成形性の比較を行う試験。
ここでいう成形限界(forming limit)とは、試験片に割れを生じることなく成形し得る限界をいう。
対応英語(参考):
formability test
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1501
用語: 成形性
定義:
割れを生じることなく所要の形状に成形し得る程度。
成形性は、材料の変形及び割れの生じる応力条件によって類別して評価され、基本的には深絞り、張出し、伸びフランジ及び曲げの四つに分けられる。
対応英語(参考):
formability
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1511
用語: 深絞り試験
定義:
ダイス面上にある試験片の部分をポンチの力によってダイス穴内に絞り込み、深絞り限界を求める試験。
スイフト深絞り試験、エリクセン深絞り試験、コニカルダイ深絞り試験などがある。
ここでいう深絞り限界(deep drawing limit)とは、割れを生じることなく深絞りできる最大の試験片直径をいい、ポンチ直径との比を限界絞り比(L.D.R.と略称)若しくは深絞り率(限界絞り比の逆数)などで表される。
対応英語(参考):
deep drawability test
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 成形性試験
番号: 1512
用語: 深絞り性
定義:
ダイス面上の素材がダイス穴内へ絞り込まれ得る程度。
その程度によって絞り性、深絞り性及び超深絞り性に区別して呼ばれる。
なお、引張試験における試験片平行部の変形状態が深絞りの変形と一致することから、この特性をr値(※1)としてとらえ、深絞りの指標に使われる(1182参照)。
対応英語(参考):
deep drawability
(※1)
r値とは、ランクフォード値といわれ、板状引張試験片の幅方向ひずみと厚さ方向ひずみ又は伸びとから次の式によって求められる値のことです。
薄鋼板のプレス成形性に関連する特性値として用いられます。