局部伸び/絞り/加工硬化指数,n値/ランクフォード値,r値
”機械試験”の中の、”引張試験”に分類されている用語のうち、『局部伸び』、『絞り』、『加工硬化指数,n値』、『ランクフォード値,r値』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼及び鋼製品の試験に関する主な用語として、鉄鋼用語(試験)(JIS G 0202)において”機械試験”のうちの”引張試験”に分類されている用語には、以下の、『局部伸び』、『絞り』、『加工硬化指数,n値』、『ランクフォード値,r値』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(試験)
⇒【機械試験 > 引張試験】
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1174
用語: 局部伸び
定義:
引張試験において、一様伸びに達した後、試験片の一部が局部的な断面収縮によってくびれを生じて破断に至るまでの永久伸び。
破断伸び(全伸び)から一様伸びを差し引いた値である。
対応英語(参考):
local elongation,
necking elongation
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1175
用語: 絞り
定義:
試験片破断後における最小断面積とその原断面積との差の原断面積に対する百分率。
JISでは、円形断面の試験片についてだけ求める。
対応英語(参考):
reduction of area,
percentage reduction of area
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1181
用語: 加工硬化指数,n値
定義:
真応力σA(※1) と対数伸びe との関係を
σA=Cen
で近似させたときのnの値。
薄鋼板では、通常、ε=5〜15%、ε=10〜20% などの全伸びの範囲について近似したときのnの値を、プレス成形性に関連する特性値として用いる。
対応英語(参考):
work hardening coefficient,
n-value,
tensile strain hardening exponent
分類: 鉄鋼用語(試験) > 機械試験 > 引張試験
番号: 1182
用語: ランクフォード値,r値
定義:
板状引張試験片の幅方向ひずみと厚さ方向ひずみ又は伸びとから次の式によって求められる値。
薄鋼板のプレス成形性に関連する特性値として用いられる。
r=ln(W0/W)+ln(t0/t)
r=ln(W0/W)+ln(W・f/W0・f0)
ここに、W0、t0 及び f0 はそれぞれ試験片の幅、厚さ、標点距離で、W、t 及び f は引張りによって試験片にε%の伸びを与えた後の試験片の幅、厚さ及び標点間の長さである。
通常ε=15%、20%などが用いられる。
対応英語(参考):
Lankford value,
r-value,
plastic strain ratio
(※1)
真応力とは、試験片にある引張荷重を加えたとき、その荷重をそのときの試験片平行部の断面積で除した値のことです。