鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

過浸炭,過剰浸炭/焼入硬化層深さ/浸炭硬化層深さ



”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語のうち、『過浸炭,過剰浸炭』、『焼入硬化層深さ』、『浸炭硬化層深さ』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語には、以下の、『過浸炭,過剰浸炭』、『焼入硬化層深さ』、『浸炭硬化層深さ』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【表面硬化処理及び表面処理】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4201(3.105)

用語: 過浸炭,過剰浸炭

定義:
表面の炭素量が規定の水準を越える浸炭。
備考: 英語ではこの用語は、また過剰な硬化層深さを表す。浸炭層の炭素量が目標値以上になる現象。

対応英語(参考):
overcarburizing, excess carburizing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4301(3.48)

用語: 焼入硬化層深さ

定義:
焼入れで硬化する深さ。
備考:
高周波焼入れ
(※1)又は炎焼入れ(※2)によって硬化する深さについては、有効硬化層深さ及び全硬化層深さが JIS G 0559 に規定されている。
参考: ISO の定義では、鉄鋼製品の表面と焼入硬化の及ぶ範囲を特徴づける限界との距離。

対応英語(参考):
depth of hardening


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4302

用語: 浸炭硬化層深さ

定義:
鋼を浸炭し、焼入焼戻しによって硬化した浸炭層の深さ。備考: 有効硬化層深さ及び全硬化層深さが JIS G 0557
(※3) に規定されている。

対応英語(参考):
carburized case depth


(※1)
高周波焼入れとは、JIS規格においては、『JIS B 6912 鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工』に規定されているもので、加熱が誘導によって行われる表面硬化処理のことです。
(※2)
炎焼入れとは、主に鉄鋼の任意の表面を焼入れする場合に用いられ、熱源が炎である表面硬化処理のことです。
(※3)
浸炭硬化層深さについては、以下のJIS規格に規定されています。
JIS G 0557
鋼の浸炭硬化層深さ測定方法