鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

シェラダイジング/ボロナイジング/炭化物被膜処理/水蒸気処理



”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語のうち、『シェラダイジング』、『ボロナイジング』、『炭化物被膜処理』、『水蒸気処理』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語には、以下の、『シェラダイジング』、『ボロナイジング』、『炭化物被膜処理』、『水蒸気処理』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【表面硬化処理及び表面処理】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4129(3.123)

用語: シェラダイジング

定義:
亜鉛の表面富化を得るために鉄鋼製品に加えられる熱化学処理。
備考: 耐食性皮膜を作る。

対応英語(参考):
sherardizing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4130(3.16)

用語: ボロナイジング

定義:
鉄鋼製品にほう化物の表面層を生成させることを目的として行われる熱化学処理。
備考1. 例えば、パックほう化、ペイストほう化などほう化が行われる媒体を規定することが望ましい。
備考2. 耐摩耗性皮膜を作る。ほう化ともいう。

対応英語(参考):
boronizing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4131

用語: 炭化物被膜処理

定義:
鋼の耐摩耗性などを向上させるために、その表面に炭化物皮膜を生じさせる処理。
備考:
処理方法には、金属粉末や合金粉末を添加した溶融塩中に浸せきして生じさせる溶融塩法、金属ハロゲン化物などの混合ガスの高温における化学反応によって生じさせる化学蒸着法及び放電中における蒸発金属の反応と衝撃的な蒸着によって生じさせるイオンプレーティング法などがある。

対応英語(参考):
carbide coating


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4132(3.135)

用語: 水蒸気処理

定義:
水蒸気中で加熱して、表面に四三酸化鉄を生じさせる処理。
備考: 潤滑能力を高めることを目的とする。
参考: ISO の定義では、過熱水蒸気中で行われるブルーイング。
(※1)

対応英語(参考):
steam treatment


(※1)
ブルーイングとは、鉄鋼製品を、酸化媒体中で、その研磨した表面が青色の酸化物の薄い、連続的な、密着性の高い膜で覆われるような温度で処理する操作のことです。