鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

緩和浸炭/復炭/浸炭窒化/窒化



”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語のうち、『緩和浸炭』、『復炭』、『浸炭窒化』、『窒化』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”表面硬化処理及び表面処理”に分類されている用語には、以下の、『緩和浸炭』、『復炭』、『浸炭窒化』、『窒化』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【表面硬化処理及び表面処理】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4111

用語: 緩和浸炭

定義:
過剰浸炭を防止するために浸炭性の弱い浸炭剤中で行う浸炭。

対応英語(参考):
mild carburizing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4112(3.24)

用語: 復炭

定義:
以前の処理によって脱炭した表面層の炭素含量を回復するための熱化学処理。

対応英語(参考):
carbon restoration


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4113(3.25)

用語: 浸炭窒化

定義:
オーステナイトでは固溶状態にある炭素及び窒素の表面に増加させるために、Ac1を超える温度に鉄鋼製品を加熱する熱化学処理。
備考1. 一般に、この操作はその後直ちに焼入硬化
(※1)を伴う。
備考2. 処理方法には、浸炭性ガスにアンモニアを添加して行うガス浸炭窒化などがある。
備考3. 浸炭浸窒ともいう。

対応英語(参考):
carbonitriding


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 表面硬化処理及び表面処理

番号: 4114(3.110)

用語: 窒化

定義:
窒素の表面富化を生じるように鉄鋼製品に適用される熱化学処理。
備考1. 窒化の行われる媒体を規定すること、例えば、気体、プラズマなど。
備考2. 処理方法には、アンモニア分解ガスによるガス窒化及び青酸塩による液体窒化がある。

対応英語(参考):
nitrideing


(※1)
焼入硬化とは、オーステナイト化後、マルテンサイト又はベイナイトに変態するような条件下での冷却によって得られる鉄鋼製品の硬化のことです。