鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

マルテンサイト/焼戻マルテンサイト/トルースタイト/ソルバイト



”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語のうち、『マルテンサイト』、『焼戻マルテンサイト』、『トルースタイト』、『ソルバイト』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語には、以下の、『マルテンサイト』、『焼戻マルテンサイト』、『トルースタイト』、『ソルバイト』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼入れ、焼戻し及び時効】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3303(4.35)

用語: マルテンサイト

定義:
元のオーステナイトと同じ化学組成をもつ体心立方晶又は体心立方晶の準安定固溶体(α又はαMと略記)。
備考:
オーステナイトを急冷した場合に、Ms点以下の温度で拡散を伴わずに変態して生じる。
オーステナイトの塑性変形によって生じることもある。

対応英語(参考):
martensite


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3304

用語: 焼戻マルテンサイト

定義:
マルテンサイトの焼戻組織の総称。狭義には焼戻しの第三段階直前(約250℃)まで焼戻しされたマルテンサイト組織。

対応英語(参考):
tempered martensite


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3305

用語: トルースタイト

定義:
マルテンサイトを焼戻ししたとき生じる組織で、光学顕微鏡では識別できないほどの微細なフェライトとセメンタイトからなる組織(焼戻トルースタイト)。又は、焼入れの際に600℃以下の温度で生成した微細パーライト組織(焼入トルースタイト)。
備考: 現在では、あまり用いられない用語である。

対応英語(参考):
troostite


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3306

用語: ソルバイト

定義:
マルテンサイトをやや高い温度に焼戻しして粒状に析出成長したセメンタイトとフェライトの混合組織で、セメンタイト粒子が約400倍の光学顕微鏡下で認められる組織(焼戻トルースタイト)。又は、焼入れの際に600〜650℃以下の温度で生成した微細パーライト組織(焼入ソルバイト)。
備考: 現在では、あまり用いられない用語である。

対応英語(参考):
sorbite