鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

析出硬化/復元/準安定オーステナイト/残留オーステナイト



”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語のうち、『析出硬化』、『復元』、『準安定オーステナイト』、『残留オーステナイト』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語には、以下の、『析出硬化』、『復元』、『準安定オーステナイト』、『残留オーステナイト』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼入れ、焼戻し及び時効】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3227(3.110)

用語: 析出硬化

定義:
過飽和固溶体
(※1)からの1種以上の化合物の析出による鉄鋼製品の硬化。

対応英語(参考):
precipitation hardening


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3228

用語: 復元

定義:
時効硬化した後に、時効温度よりもやや高い温度に短時間加熱することによって、ほぼ時効前の性質に戻り、軟化する現象。

対応英語(参考):
reversion


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3301

用語: 準安定オーステナイト

定義:
平衡状態図によって定義される状態とは異なる見掛け上安定な状態にあるオーステナイト。
オーステナイトが安定である温度範囲より低い温度で未変態のまま非平衡に存在する過冷却オーステナイトを指す。

対応英語(参考):
metastable austenite


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3302(4.45)

用語: 残留オーステナイト

定義:
焼入硬化後、常温において残留する未変態オーステナイト。

対応英語(参考):
retained austenite


(※1)
過飽和固溶体とは、その温度での平衡溶解度以上に溶質を固溶している固溶体(2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相)のことです。