鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

等温変態/等温変態曲線/連続冷却変態曲線/オーステナイトの安定化



”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語のうち、『等温変態』、『等温変態曲線』、『連続冷却変態曲線』、『オーステナイトの安定化』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語には、以下の、『等温変態』、『等温変態曲線』、『連続冷却変態曲線』、『オーステナイトの安定化』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼入れ、焼戻し及び時効】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3211

用語: 等温変態

定義:
鉄鋼をオーステナイトへ状態から変態温度以下の任意の温度まで急冷し、その温度に保持した場合に生じる変態。

対応英語(参考):
isothermal transformation


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3212(3.151)

用語: 等温変態曲線

定義:
各温度におけるオーステナイトの等温変態の開始及び終了を図示した一群の曲線。
縦軸に温度、横軸に時間(対数目盛)をとって表す。
備考1. TTT図のこと。
備考2. オーステナイトの変態率が50%に達する点を補足的な曲線で示す。
備考3. 図中には生成する変態組織の種類及び硬さについての情報も併せて示す。

対応英語(参考):
isothermal transformation diagram, time temperature transformation diagram


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3213(3.32)

用語: 連続冷却変態曲線

定義:
任意の冷却関数で連続的に冷却した場合に生じるオーステナイトの変態の開始及び終了を図示した一群の曲線。
縦軸に温度、横軸に時間(対数目盛)をとって表す。
備考1. CCT図のこと。
備考2. 変態量が50%に達する温度に相当する点を補足的な曲線で示す。
備考3. 図中には、各々の冷却曲線について、生成する変態組織及び室温まで冷却後の硬さについての情報も併せて示す。

対応英語(参考):
continuous cooling transformation diagram


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効

番号: 3214

用語: オーステナイトの安定化

定義:
固溶原子の配分などによってオーステナイトが安定化されて、マルテンサイトへの変態が起こりにくくなる現象。
備考:
このような安定化は焼入れ後の残留オーステナイト
(※1)の低温焼戻し又は常温での保持などで起こり、常温以下への冷却で残留オーステナイトのマルテンサイトへの変態を抑制又は阻止する。

対応英語(参考):
stabilization of austenite


(※1)
残留オーステナイトとは、焼入硬化後、常温において残留する未変態オーステナイトのことです。