焼戻し/繰返し焼戻し/調質/時効
”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語のうち、『焼戻し』、『繰返し焼戻し』、『調質』、『時効』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語には、以下の、『焼戻し』、『繰返し焼戻し』、『調質』、『時効』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼入れ、焼戻し及び時効】
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3125(3.144)
用語: 焼戻し
定義:
一般に焼入硬化後、又は所要の性質を得るためお熱処理後に、特定の温度(Ac1未満)で、1回以上の回数均熱した後、適切な速度で冷却することからなる熱処理。
備考: 焼戻しは、一般に硬さの低下をもたらす。しかし、硬度上昇を起こす場合もある(二次硬化参照)。(※2)
対応英語(参考):
tempering
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3126
用語: 繰返し焼戻し
定義:
高合金鋼、高速度鋼などのように、1回の焼戻しで効果が十分に上がらない場合に、焼戻しを2〜3回繰り返す操作。
対応英語(参考):
multiple tempering
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3127
用語: 調質
定義:
焼入れ後、比較的高い温度(約400℃以上)に焼き戻して、トルースタイト又はソルバイト組織にする操作。
対応英語(参考):
thermal refining
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3128(4.2)
用語: 時効
定義:
急冷、冷間加工などの後、時間の経過に伴い鋼の性質(例えば、硬さなど)が変化する現象。
備考: 時効硬化(※1)を目的として行う操作の定義で用いることもある。
参考: ISO の定義では、常温又はその付近で起こるところの、侵入形元素の移動による鉄鋼製品の性質の変化をもたらす現象。
対応英語(参考):
ageing
(※1)
時効硬化とは、急冷又は冷間加工した鉄鋼が時効によって硬化する現象のことです。
(※2)
二次硬化とは、焼入硬化後に加えられた一つ以上の焼戻処理によって得られる鉄鋼製品の硬化のことです。
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