サブゼロ処理/オーステンパ/パテンチング/オイルテンパ処理
”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語のうち、『サブゼロ処理』、『オーステンパ』、『パテンチング』、『オイルテンパ処理』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼入れ、焼戻し及び時効”に分類されている用語には、以下の、『サブゼロ処理』、『オーステンパ』、『パテンチング』、『オイルテンパ処理』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼入れ、焼戻し及び時効】
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3121(3.140)
用語: サブゼロ処理
定義:
焼入れ後、残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させるために行う熱処理で、常温よりも低い温度へ冷却し、その温度で均熱(※1)する熱処理。
備考: 深冷処理ともいう。
対応英語(参考):
sub-zero treating, deep freezing
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3122(3.5)
用語: オーステンパ
定義:
オーステナイト化後、フェライトやパーライトの形成を避けるように十分に早くMs点より高い温度に冷却する階段焼入れを行い、オーステナイトのベイナイトへの変態が部分的又は完全に起こるように均熱する熱処理。
備考1. 室温への最終冷却は、特定の速度で行うわけではない。
備考2. その目的は、ひずみの発生及び焼割れを防止するとともに、強じん性を与えることである。
対応英語(参考):
austempering
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3123(3.108)
用語: パテンチング
定義:
オーステナイト化後、引き続いて行われる線引き又は圧延に適した組織を得るために、適切な条件下で冷却する熱処理。
備考:例えば、空気、鉛浴など、パテンチングの行われる媒体を規定することが望ましい。
対応英語(参考):
patenting
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼入れ、焼戻し及び時効
番号: 3124
用語: オイルテンパ処理
定義:
鋼線を連続的に真っすぐな状態で、油など冷媒で焼入れ後、焼戻しを行う処理。
対応英語(参考):
oil quenching(hardening) and tempering
(※1)
均熱とは、温度が一定に保たれる熱サイクルの部分のことを意味し、主として、材料の内外の温度差が少なくなるようにする目的で、適切な時間、一定の温度に保持する処理のことをいいます。
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