鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

完全焼なまし/軟化焼なまし/応力除去焼なまし



”焼ならし及び焼なまし”に分類されている用語のうち、『完全焼なまし』、『軟化焼なまし』、『応力除去焼なまし』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼ならし及び焼なまし”に分類されている用語には、以下の、『完全焼なまし』、『軟化焼なまし』、『応力除去焼なまし』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼ならし及び焼なまし】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2103(3.67)

用語: 完全焼なまし

定義:
Ac3
(※1)を超える温度における焼なまし。

対応英語(参考):
full annealing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2104(3.127)

用語: 軟化焼なまし

定義:
鉄鋼製品の硬さを所定の水準まで低下させる目的で、Ac1
(※2)変態点近傍の温度に加熱する熱処理。

対応英語(参考):
softening


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2105(3.138)

用語: 応力除去焼なまし

定義:
本質的に組織を変えることなく、内部応力を減らすために、適切な温度へ加熱又は均熱した後、適切な速度で冷却する熱処理。

対応英語(参考):
stress relieving


(※1)
Ac3は、特定の合金の変態温度(相変化の起こる温度で、変態が温度範囲にわたって起こるときは、変態が開始し、終了する温度)の一つで、フェライトの存在上限を定義する平衡温度のことです。

(※2)
Ac1は、オーステナイトの存在下限を定義する平衡温度のことです。