鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

球状化焼なまし,球状化,球状化処理/等温焼なまし/中間焼なまし



”焼ならし及び焼なまし”に分類されている用語のうち、『球状化焼なまし,球状化,球状化処理』、『等温焼なまし』、『中間焼なまし』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”焼ならし及び焼なまし”に分類されている用語には、以下の、『球状化焼なまし,球状化,球状化処理』、『等温焼なまし』、『中間焼なまし』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【焼ならし及び焼なまし】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2109(3.130)(3.131)

用語: 球状化焼なまし,球状化,球状化処理

定義:
セメンタイト板のような炭化物粒子を、安定な球状の形態へ発達させること。
析出した炭化物の球状化をもたらすために、一般に、Ac1温度の付近で長く均熱する、又はこの温度周辺を振らすことにかかわる焼なまし。

対応英語(参考):
spheroidizing, spherodization


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2110(3.91)

用語: 等温焼なまし

定義:
オーステナイト化後冷却し、オーステナイトからフェライト、パーライト又はセメンタイト、パーライトへの変態が完結するような温度に、その時間均熱することによって冷却を中断する焼なまし。

対応英語(参考):
isothermal annealing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 焼ならし及び焼なまし

番号: 2111

用語: 中間焼なまし

定義:
冷間加工で硬化した鋼を軟化し、引き続いて行う冷間加工を容易にする目的で、再結晶
(※1)温度以上 Ac1点以下の適切な温度で行う焼なまし。
又は鍛鋼品の製造工程中、最終熱処理の前に1回ないし数回に分けて行う焼なまし。
インタミディエイトアニーリング(intermediate annealing)ともいう。

対応英語(参考):
process annealing, intermediate annealing


(※1)
再結晶とは、冷間加工などで塑性ひずみを受けた結晶が加熱されるとき、内部応力が減少する過程に続いて、ひずみが残っている元の結晶粒から内部ひずみのない新しい結晶の核が発生し、その数を増すとともに、各々の核は次第に成長して、元の結晶粒と置き換わっていく現象のことです。