鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

α鉄/δ鉄/フェライト/初析フェライト



”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『α鉄』、『δ鉄』、『フェライト』、『初析フェライト』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『α鉄』、『δ鉄』、『フェライト』、『初析フェライト』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1304(4.5)

用語: α鉄

定義:
911℃よりも低い温度での純鉄の安定な状態。
備考1. その結晶構造は、体心立方である。
備考2. 768℃(キュリー点)よりも低い温度では強磁性である。
備考3. 768℃〜910℃までの温度範囲では常磁性である。

対応英語(参考):
alpha iron


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1305(4.16)

用語: δ鉄

定義:
1392℃から融点までの温度範囲での純鉄の安定な状態。
備考1. その結晶構造は、体心立方で、α鉄と同じである。
備考2. 常磁性である。

対応英語(参考):
delta iron


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1306(4.19)

用語: フェライト

定義:
1種以上の元素を含むα鉄又はδ鉄固溶体。
備考: δ鉄の固溶体をδフェライトともいう。

対応英語(参考):
ferrite


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1307

用語: 初析フェライト

定義:
亜共析鋼を高温から冷却する際に、共析変態に先立ってオーステナイト
(※1)から析出するフェライト。

対応英語(参考):
pro-eutecitoid ferrite


(※1)
オーステナイトとは、1種以上の元素を含むγ鉄固溶体のことです。