鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

変態/変態点,変態温度/磁気変態



”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『変態』、『変態点,変態温度』、『磁気変態』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『変態』、『変態点,変態温度』、『磁気変態』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1301

用語: 変態

定義:
温度を上昇又は下降させた場合などに、ある結晶構造から他の結晶構造に変化する現象。備考:磁気変態のように必ずしも結晶構造の変化を伴わないものもある。

対応英語(参考):
transformation


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1302(3.43)(3.152)

用語: 変態点,変態温度

定義:
変態点:
特定の合金の変態温度。
変態温度:
相変化の起こる温度で、変態が温度範囲にわたって起こるときは、変態が開始し、終了する温度。
備考:
鋼については、次のような主要な変態温度が区別される。
Ae1 : オーステナイトの存在下限を定義する平衡温度
Ae3 : フェライトの存在上限を定義する平衡温度
Aem : 過共析鋼においてセメンタイト存在上限を定義する温度
Ac1 : 加熱時、オーステナイトが生成し始める温度
Ac3 : 加熱時、フェライトがオーステナイトへの変態を完了する温度
Acm : 加熱時、過共析鋼中のセメンタイトが完全に溶解する温度
Ar1 : 冷却時、オーステナイトがフェライト又はフェライト、セメンタイトへの変態を完了する温度
Ar3 : 冷却時、フェライト変態が始まる温度
Arm : 過共析鋼において、オーステナイトの冷却の間、セメンタイトが生じ始める温度
Ms : 冷却の間にオーステナイトがマルテンサイトに変態し始める温度
Mf : 冷却の間、オーステナイトがほとんど完全にマルテンサイトに変態した温度
Mx : 冷却の間に、オーステナイトの x%がマルテンサイトに変態した温度

対応英語(参考):
critical points,
transformation temperature
図2 変態点[a)純鉄]
図2 変態点[a)純鉄]
図2 変態点[b)亜共析鋼]
図2 変態点[b)亜共析鋼]
図2 変態点[c)過共析鋼]
図2 変態点[c)過共析鋼]


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1303

用語: 磁気変態

定義:
強磁性体から常磁性体へ、又は常磁性体から強磁性体への変化。
備考:
結晶構造の変化は伴わない。

対応英語(参考):
magnetic transformation