脱炭,脱炭処理/脱炭層深さ/白点/水素ぜい化(水素脆化)
”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『脱炭,脱炭処理』、『脱炭層深さ』、『白点』、『水素ぜい化(水素脆化)』のJIS規格における定義その他について。
主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『脱炭,脱炭処理』、『脱炭層深さ』、『白点』、『水素ぜい化(水素脆化)』などの用語が定義されています。
鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般
番号: 1208(3.45)(3.46)
用語: 脱炭,脱炭処理
定義:
鉄鋼製品の表面における炭素の欠乏。
備考:
この欠乏は、部分的(部分的脱炭)か、名目上完全(完全脱炭)かのいずれかである。二つの形式の脱炭(部分的及び完全)の和は、全脱炭と呼ばれる(ISO 3887 参照)。
脱炭処理:
鉄鋼製品の脱炭を意図した熱化学処理。
対応英語(参考):
decarburization,
decarburizing
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般
番号: 1209(3.47)
用語: 脱炭層深さ
定義:
鉄鋼製品の表面と、炭素層の欠乏している層の厚さを特徴づける限界との距離。
備考1.
その深さを表示する用語には、全脱炭層深さ、フェライト脱炭層深さ、特定残炭率脱炭層深さ、実用脱炭層深さなどがある。
備考2.
この限界は、脱炭の種類によって変わり、組織状態、硬さ水準又は変化しなかった母材の炭素含量(ISO 3887 参照)若しくはその他の規定の炭素含量によって規定される。
対応英語(参考):
depth of decarburization
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般
番号: 1210
用語: 白点
定義:
鋼材の破面に現れる白色の光沢をもったはん点。
備考1.
以前には、低合金鋼の大型鍛鋼品などにしばしば認められた。
備考2.
熱間加工後の冷却過程で生じる変態応力、水素の析出に伴う内部応力などで誘発される内部き裂と考えられる。
対応英語(参考):
flake,
white spot
分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般
番号: 1211
用語: 水素ぜい化(水素脆化)
定義:
鋼中に吸収された水素によって鋼材に生じる延性又はじん性(靭性)が低下する現象。
備考:
この現象は、酸洗、電気めっきなどの場合に生じることが多い。また、引張応力が存在すると割れに至ることが多い。
対応英語(参考):
hydrogen embrittlement