鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

再結晶,再結晶熱処理/結晶粒粗大化/結晶粒微細化



”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『再結晶,再結晶熱処理』、『結晶粒粗大化』、『結晶粒微細化』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『再結晶,再結晶熱処理』、『結晶粒粗大化』、『結晶粒微細化』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1205(3.120)

用語: 再結晶,再結晶熱処理

定義:
冷間加工などで塑性ひずみを受けた結晶が加熱されるとき、内部応力が減少する過程に続いて、ひずみが残っている元の結晶粒から内部ひずみのない新しい結晶の核が発生し、その数を増すとともに、各々の核は次第に成長して、元の結晶粒と置き換わっていく現象。
備考:
再結晶を起こす温度を再結晶温度という。この温度は、金属及び合金の純度又は組成、結晶内の塑性ひずみの程度、過熱の時間などによって著しい影響を受ける。
冷間加工された金属内で、相の変化なしに、核成長および成長によって新しい結晶粒が発達することを意図した熱処理。

対応英語(参考):
recrystallization, recrystallizing


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1206(3.68)

用語: 結晶粒粗大化

定義:
Ac3をはるかに超える温度で結晶粒成長をもたらすに十分な時間行われる熱処理。

対応英語(参考):
grain coarsening


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1207(3.69)

用語: 結晶粒微細化

定義:
鉄鋼製品の結晶粒を微細化し、結果的に起こる均一化を目的とした熱処理。
備考:
Ac3(過共析鋼においてはAc1)
(※1)をわずかに超える温度に過熱し、この温度に長く保持することなく、適切な速度で冷却することからなる。

対応英語(参考):
grain refining


(※1)
Ac3とは変態温度の一つで、フェライトの存在上限を定義する平衡温度のことです。
また、Ac1とは、オーステナイトの存在下限を定義する平衡温度のことです。