鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

拡散,拡散処理/拡散域/過熱及び過均熱/バーニング



”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『拡散,拡散処理』、『拡散域』、『過熱及び過均熱』、『バーニング』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『拡散,拡散処理』、『拡散域』、『過熱及び過均熱』、『バーニング』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1201(3.52)

用語: 拡散,拡散処理

定義:
物質を構成している原子が熱エネルギーによって移動する現象。
備考:
拡散変態、析出、回復、再結晶、浸炭などはいずれも原子の拡散によって進行する。
鉄鋼表面に持ち込まれた元素(例えば、浸炭、ほう化又は窒化などによって)を製品の内部に向かって拡散させることを意図して行う熱処理(又は操作)。

対応英語(参考):
diffusion,
diffusion treatment


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1202(3.53)

用語: 拡散域

定義:
熱化学処理の間に形成された表面層。その処理の間に持ち込まれた元素を固溶又は部分的に析出した状態で含有している。
備考1.
これらの元素の含有量は、中心に近づくにつれて連続的に消失する。
備考2.
拡散域の析出物は、窒化物、炭化物などである。

対応英語(参考):
diffusion zone


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1203(3.106)

用語: 過熱及び過均熱

定義:
過剰な結晶粒成長を生じるような、ある期間、温度条件下にさらされる加熱。
備考:
過熱は温度効果、過均熱は時間効果によるものとして、区別することができる。過熱及び過均熱された鉄鋼製品は、製品の成果kに応じて、適切な熱処理又は熱間加工によって再処理してもよい。

対応英語(参考):
overheating and oversoaking


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1204(3.19)

用語: バーニング

定義:
結晶粒界の融合によって引き起こされる組織や性質の非可逆的な変化。
備考:
後の熱処理や機械加工又は加工と熱処理の組合せの作業で、初めにもっていた諸性質を回復できない現象。

対応英語(参考):
burning