鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

 

制御圧延/加速冷却/熱加工制御



”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『制御圧延』、『加速冷却』、『熱加工制御』のJIS規格における定義その他について。

主に圧延、鋳造又は鍛造された鋼の熱処理に関する主な用語として、鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)において”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の『制御圧延』、『加速冷却』、『熱加工制御』などの用語が定義されています。

鉄鋼用語(熱処理)
⇒【熱処理一般】


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1110

用語: 制御圧延

定義:
熱間圧延法の一種で、鋼片の加熱温度、圧延温度及び圧下量を適正に制御することによって、鋼の結晶組織を微細化し、機械的性質
(※1)を改善する圧延。
備考:
制御圧延のうち、
a) 主として、Mn-Si系高張力鋼を対象に低温のオーステナイト域で圧延を終了するものを古典的制御圧延、
b) 未再結晶域で圧延の大部分を行うものを含む制御圧延を熱加工圧延と呼ぶことがある。

対応英語(参考):
controllled rolling


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1111

用語: 加速冷却

定義:
主として、厚板圧延工程において行われる制御冷却で、制御圧延に引き続き変態温度域を空冷よりも早い冷却速度で冷却することによって、鋼の結晶組織を調整し、機械的性質を改善する冷却方法。
備考:
加速冷却設備を用いて圧延ライン上で単に冷却し、焼入処理を行う冷却方法は、加速冷却に含まない。

対応英語(参考):
accelerated cooling


分類: 鉄鋼用語(熱処理) > 熱処理一般

番号: 1112

用語: 熱加工制御

定義:
制御圧延を基本に、その後空冷又は強制的な制御冷却を行う製造法の総称。
備考1.
熱加工圧延及び加速冷却がこれに含まれる。ただし、古典的制御圧延だけの場合は含まない。
備考2.
TMCP と呼ぶことがある。

対応英語(参考):
thermo-mechanical control process
図1 熱加工制御
備考:
R:圧下、 Ac:加速冷却
図1 熱加工制御


(※1)
機械的性質とは、引張強さ、降伏点、伸び、絞り、硬さ、衝撃値、疲れ強さ、クリープ強さなど、機械的な変形及び破壊に関する諸性質のことです。